母指CM関節症

母指CM関節症

山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックの疾患説明

  • 最近親指の付け根が痛い
  • 痛みでビンのフタが開けられなくなった

このような症状のある方は母指CM関節症の可能性があります。母指CM関節症は親指の付け根の骨や軟骨が変形し生じる病気です。今回はそんな母指CM関節症についてお送りします。


母指CM関節症とは


母指とは親指のことであり、親指には末節骨・基節骨・中手骨という3つの骨があります。その中の”中手骨”と手のひらの骨である”大菱形骨”の間にある関節を「母指CM関節」と呼びます。この母指CM関節にある軟骨がすり減り、骨が変形して靭帯(じんたい)が緩み、脱臼を起こし、骨同士がぶつかることで痛みを感じるのが「母指CM関節症」です。

母指CM関節症の症状

  • ドアの取っ手や、ペットボトルなどの蓋を握ったとき
  • ホチキスやハサミを使うとき
  • 手をついて立ち上がろうとしたとき

など、親指に力を必要とする動作で痛みが生じます。だるい痛みから徐々にズキっとした痛みに変わってくるようです。このような時に痛みを感じたら、親指の付け根を観察してみてください。出っ張ったり、腫れぼったくなっていたら変形が始まっているかもしれませんし、変形が進行すると親指が開きにくくなります。さらに変形が進むと、親指の指先の関節が曲がり、手前の関節が反った「スワンネック変形(白鳥の首変形)」となることもあります。また不思議なことに、利き手ではない方の手に症状が現れることが多いとされています。

一般社団法人 日本手外科学会 手外科シリーズ 「母指CM関節症」より引用


母指CM関節症の原因

母指CM関節は、親指が他の指と向かい合って”つまみ動作”ができるように大きく動くことが可能となっている関節です。その分、手の使い過ぎや加齢に伴って関節の軟骨がすり減りやすく、骨も変形しやすいとされています。進行すると関節が正しい位置をキープできなくなり亜脱臼を起こします。この変形や亜脱臼が痛みの原因です。

母指CM関節症はほかの関節症と同様に、更年期の女性閉経後の女性に多く見られます。これは女性ホルモン(エストロゲン)の減少で軟骨が減りやすくなるためと考えられています。また、この年代の女性は、長い間家事で手を酷使してきたために発症される方が多いとも考えられています。

一般社団法人 日本手外科学会 手外科シリーズ 「母指CM関節症」より引用


母指CM関節症の診断

親指の付け根のところが腫れてきたり、押すと痛みがでます。また親指を捻ったり押し付けたりすると痛みが強くなります(grind test)。

似たような症状が起こる病気にドケルバン病(手首の母指側の腱鞘炎)や関節リウマがあり、これらの病気と区別する必要があります。

レントゲン検査で母指CM関節のすき間が狭くなり、余分な骨(骨棘)がでいるのが確認できます。骨棘は「こつきょく」と呼び、トゲのような骨です。これは変形した関節を安定させるために骨が出っ張ってくるという代償性の反応といわれております。最終的に変形が進行すると母指CM関節の亜脱臼が生じます。

一般社団法人 日本手外科学会 手外科シリーズ 「母指CM関節症」より引用


母指CM関節症の治療

1, 安静

まずは何より安静にして、できるだけ動かさないことが大切です。

2, 飲み薬・貼り薬・塗り薬

次に湿布を貼ったり、塗り薬を塗って患部の炎症を抑えます。湿布や塗り薬で効果の少ない人は内服薬も使用します。

3, 装具・包帯

さらには、CM関節を保護する装具をつくったり、包帯を親指から手首にかけて8の字型に巻いて動きを制限したりします。

4, 注射

これまでの「安静、貼り薬・塗り薬・飲み薬」で改善しない方は、注射を検討します。注射にはキシロカインという局所麻酔薬と、ケナコルトという炎症を抑えるステロイド剤を用いることが一般的です。非常に効果が高く、注射して帰宅する頃には痛みがとれているケースがほとんどです。およそ3カ月から半年程度効果が持続します。

4, 手術

ここまでの治療でも痛みが治まらなかったり、変形が進んでしまった場合には以下の手術を検討します。手術の方法は以下の2つのいずれかを選ぶことがほとんどです。

切除関節形成術

変形している手首とのつなぎ目の小さな骨(大菱形骨)の一部を切り取り、CM関節の周囲の靭帯を再建します。

関節固定術

CM関節の表面を削り、固定します。

いずれの手術も2~3日程度の入院が必要で、その後3~4週間のギブス固定となります。費用についてはおおよそ1割負担の方で9万円、3割負担の方で3万円くらいと思ってください。この手術は高額医療費控除の対象になるかと思いますので、加入されている健康保険組合や事務所にご相談ください。

一般社団法人 日本手外科学会 手外科シリーズ 「母指CM関節症」より引用


母指CM関節症の予防

母指CM関節症にならないために、特に女性は減ってしまった女性ホルモン(エストロゲン)を食事で補うとよいとされています。大豆製品や肉・魚・アーモンドなどのナッツ類に女性ホルモンに似た成分が多く含まれています。

また、女性ホルモン(エストロゲン)を上手に吸収するためには筋肉も大事です。ウォーキングをすると筋力が維持できるだけではなく、日光浴もできるのでお勧めです。日光浴をすることでビタミンDが活性化されやすく、骨にも良い影響をもたらしてくれます。

山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックの治療の特徴

おやま整形外科クリニックでは

  1. 詳しい問診・診察によりに母指CM関節症に特徴的な症状・所見が出ていないかをチェックします。
  2. 症状が軽度の場合は「安静、貼り薬・塗り薬・飲み薬」などから治療を開始します。
  3. 症状が重度の場合は「注射」を行います。
  4. これらで改善を認めない場合は「装具」を作成します。
  5. 全ての治療を行っても症状が改善しない場合は、手術を考慮し手術ができる病院に紹介させていただきます。

このような手順で検査・治療を進め、患者さまに負担のない治療を心掛けてまいります。

治療費

おやま整形外科クリニックでの治療費の例

1割負担2割負担3割負担
初診診察
処方箋
約***円約***円約***円
再診診察
注射
約***円約***円約***円

まとめ

母指CM関節症は手をよく使う方に多く発症するご病気です。普段の生活で頑張りすぎているのかもしれません。まずは安静にして様子をみつつ、痛みが続くようならすぐに当院や最寄りの整形外科の受診を検討してください。そのうえで、適切な治療を行い痛みをとりつつも、関節に負担の少ない治療を行っていくことが重要です。

画像提供

一般社団法人 日本手外科学会 手外科シリーズ

母指CM関節症より引用

動画提供

合同会社 Medivery 運営 YouTube チャンネル: "Medivery 大学病院"

監修医師

  1. 小山 翔平(おやま しょうへい): 日本整形外科学会 認定専門医…おやま整形外科クリニック 院長
  2. 正田 純平(しょうだ じゅんぺい): 日本整形外科学会 認定専門医…千葉大学大学院 医学研究院 整形外科学

山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックの院長紹介

氏名: 小山 翔平(おやま しょうへい)
出身地: 山形県寒河江市
資格: 日本整形外科学会 認定専門医