ロコモーティブシンドローム

ロコモーティブシンドローム

山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックの疾患説明


ロコモーティブシンドロームとは

ロコモーティブシンドローム(運動器症候群)とは加齢に伴い筋力が低下したり、関節の変形・骨折・脊椎の病気・骨粗鬆症などで運動の機能が衰えて、寝たきりになったり、歩けなくなったりなどで介護が必要になったりするリスクが高い状態のことを指します。簡単に言うと、骨や関節、軟骨、神経が老化し思うように身体が動きづらくなることです。

日本整形外科学会が 2007年よりこれらの症状をロコモーティブシンドローム(運動器症候群)と呼び、啓蒙活動を行っております。なぜこのようなあたらしい概念を打ち出し、啓蒙活動を行っているのかというと「介護」が必要な方を減らすためです。日本は世界でも有数の長寿国であり、人口1億人以上の大きな国であるにも関わらず平均寿命は男性が約 80歳、女性が約 87歳となっています。この平均寿命だけではなく、 「日常的に介護を必要とせず、心身ともに自立して暮らせる期間」として定義している健康寿命について WHO が調査したところ、日本は男性が約 72歳、女性が 約78歳と世界一でした。

このように、日本は平均寿命も健康寿命も世界で最上位の国になるのですが、それでも平均寿命と健康寿命の間には男性で 8歳分、女性で 9歳分の差があります。つまり、男女とも人生の最後の10年弱は寝たきり、もしくは家の中で閉じこもった生活になる可能性が高く、介護が必要になってしまいます。2000年に介護保険制度が施行されて以来、要介護認定者数は増え続けており、現在では 75歳以上の約 3人に 1人は要介護認定者となっております。

その要介護となる原因を調べたところ、運動器に障害がある患者さんが多いことが分かったのです。脳梗塞や脳出血による要介護認定も多いのですが、それと同じくらい運動器の障害が原因となっていることが調査で判明しており、特に女性では運動器の障害顕著になっています。このような運動器の障害によって介護が必要になる方を減らし、国民が人生の最後まで、できるだけ健康で過ごせるような未来を作るために、日本整形外科学会はロコモーティブシンドローム(通称: ロコモ)という概念を打ち出し、その概念の啓蒙や予防方法の普及に乗り出しているのです。


ロコモの原因

そのロコモに特に影響が大きい疾患として、ご年配の方に多い「ひざ、こし、ほね」の病気、つまり「変形性膝関節症、変形性腰椎症、骨粗鬆症」が3大要因となっています。変性性膝関節症膝の軟骨がすり減り骨が変形することで、痛みが出たり、曲がりづらくなったり、歩きづらくなったりするご病気です。変形性腰椎症も同様に腰の骨の軟骨がすり減り骨が変形することで腰の痛みが出たり、変形した骨や椎間板・人体などで脊髄(神経)が圧迫され疼痛・麻痺につながる嫌なご病気です。骨粗鬆症それ自体では痛みなどの症状はでませんが、骨がもろくなるためちょっと転んだだけでも背骨や手首、肩、股関節などを骨折しやすくなります

この3つの病気に代表されるように、「骨・軟骨・神経・筋肉」などが加齢に伴い弱ってしまい、身体の動きが悪くなることがロコモのきっかけです。そして、

「運動不足」→「関節の動き・筋力・バランス感覚の低下」→「転倒」→「疼痛・骨折」→「日常生活に支障」

と進行し、最終的に介護が必要となってしまうのです。


ロコチェック

では、ロコモティブシンドロームかどうかを調べる方法はあるのでしょうか?「もしかしてロコモ?」かなぁと思う皆さんは、以下の簡単なチェックを行ってみてください。

  • 立ったまま靴下を履けない
  • 段差のないところでつまづく、すべる
  • 階段の上り下りで手すりが必要
  • 布団の上げ下ろしや、掃除機などの作業ができない
  • 2キロ程度の荷物(牛乳パック2本分)の持ち歩きがつらい
  • 15分以上歩き続けることができない
  • 横断歩道の青信号で渡り切れない

これらに1つでも当てはまれば危険信号です!!当てはまってしまった方は日本整形外科学会が制作しているロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト「ロコモ ONLINE」でさらに詳しくチェックしましょう!

ロコモになりやすい人は?

ロコモになりやすいといわれるのは「運動不足、女性、肥満」の方々です。

運動不足

普段運動をほとんどしないことで筋力が低下しています。

女性(特に閉経後)

男性に比べ筋力が弱く、閉経後にはさらに骨粗鬆症もすすみ運動器が弱くなりやすいです。

肥満

常に体に大きな負担を課していて、膝や腰を痛めやすいのです。また体も重いので運動不足になりがちです。

上記の3つに該当する方は、次のトレーニングを行ってみてください。

ロコトレ

ロコモを予防するための方法として、日本整形外科学会がロコトレをおすすめしています。それを簡単にまとめると「ストレッチ、筋トレ、ウォーキング」です


ストレッチ

ラジオ体操や NHK のみんなの体操でも構いません。もしくは YouTube で「ストレッチ」と検索し、相性のいい YouTuber の方と一緒に身体を動かしてみてください。自分のやりやすい方法で、身体の関節や筋肉が固まらないようにストレッチしましょう。

片足立ち

バランスを能力を鍛えます。

  1. 転倒しないよう机や椅子のそばにたちます
  2. バランスを崩したらすぐにつかまれるようにした状態で片足を床から離します。
  3. 左右、交互に1分間、1日3回くらい行いましょう。

スクワット

太ももを中心に脚の筋力をつけます。

  1. まっすぐ立ち、足は肩幅程度に開きます
  2. その状態でゆっくりと膝を曲げてください。

※この時、つま先より膝を前に出さないように注意しましょう。

この他にも日本整形外科学会のロコモ ONLINE ではヒールレイズやフロントランジという筋トレも紹介されていますので、興味のある方はチェックしてください。おやま整形外科クリニックでは、その代わりに食後の散歩を推奨しています。

散歩(ウォーキング)

 骨を強くします。

  1. 朝食後・昼食後に、 20~30分程度散歩します
  2. 日光を浴びることで、骨を作るビタミン D が活性化されます。また運動の刺激でホルモン分泌が促進します。これらのビタミンやホルモンが骨を強くしてくれます。さらに、食後に歩くことで血糖値の上昇も予防でき、非常に健康的です。

ロコモにいい食材ってある?

最後にロコモを予防する食事についてご説明します。こちらも日本整形外科学会のロコモ ONLINE が提唱しているキーワードとして「さあにぎやかにいただく」という合言葉があります。

  • さ: さかな(魚: タンパク質、カルシウム、ビタミン)
  • あ: あぶら(油: 細胞生成)
  • に: にく(肉: タンパク質、ビタミン)
  • ぎ: ぎゅうにゅう(牛乳: タンパク質、カルシウム)
  • や: やさい(野菜: ビタミン、食物繊維)
  • か: かいそう(海藻: ミネラル、食物繊維)
  • (に)
  • い: いも(芋: 糖質、ビタミン、ミネラル)
  • た: たまご(卵: タンパク質)
  • だ: だいず(大豆: アミノ酸、カルシウム)
  • く: くだもの(果物: ミネラル、ビタミン、食物繊維)

これらの食品を多めに取ることで、健康的な身体の基となる栄養素を取り入れましょう!医食同源という言葉の通り、健康・医療の第1歩は食事からスタートします。

山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックの治療の特徴

当院ではロコモティブシンドロームだけを専門的に治療するということはありません。ロコモの原因となりやすい変形性膝関節症・変形性腰椎症・骨粗鬆症などの疾患に対して、リハビリを中心に運動器が弱らないように治療を行っていきます。私たちは、できるだけ皆さんの健康的な身体を守るためにリハビリに重点を置いております。リハビリでできるだけ痛みが出づらい体を作り、それ以上進行しづらいように筋力を鍛えます。

治療費

変形性膝関節症、骨粗鬆症の治療費に準じます。詳細は上記リンクよりご確認ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回はロコモティブシンドロームについて紹介しました。ロコモティブシンドロームにより健康寿命が短くなり、大切な老後のひとときをご自宅の中で閉じこもりがちになってしまったり、寝たきりで過ごしてしまう方もいらっしゃいます。最後の最後まで健康的な生活を送るために、是非ご自身の身体を鍛え、ロコモティブシンドロームを予防し、健康寿命の増進に心がけていきましょう。

情報提供

公益社団法人 日本整形外科学会

「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」より

動画提供

合同会社 Medivery 運営 YouTube チャンネル: "Medivery 大学病院"

「【高齢者に多い】ロコモーティブシンドロームとは?原因と予防」より

監修医師

  1. 小山 翔平(おやま しょうへい): 日本整形外科学会 認定専門医…おやま整形外科クリニック 院長
  2. 正田 純平(しょうだ じゅんぺい): 日本整形外科学会 認定専門医…千葉大学大学院 医学研究院 整形外科学

山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックの院長紹介

氏名: 小山 翔平(おやま しょうへい)
出身地: 山形県寒河江市
資格: 日本整形外科学会 認定専門医