【変形性膝関節症とPRP治療とは?】効果や適応をわかりやすく解説


膝が痛くて階段の上り下りがつらい、立ち上がるときに膝がこわばる、湿布やリハビリを続けているけれど、ほかの治療も気になる
―このようなお悩みはありませんか?
変形性膝関節症は、中高年の方に多い膝の病気です。進行すると、歩くことや外出、家事など、日常生活にも影響が出ることがあります。日本整形外科学会でも、膝の痛み、腫れ、水がたまること、動かしにくさなどが代表的な症状とされています。最近では、変形性膝関節症に対する治療のひとつとしてPRP治療に関心を持つ方が増えています。
PRPは、ご自身の血液から血小板を多く含む成分を取り出し、膝に注射する治療です。膝の痛みの改善が期待される一方で、効果には個人差があり、すべての方に同じように勧められる治療ではありません。
変形性膝関節症とは
変形性膝関節症は、膝の関節にある軟骨がすり減ったり、関節にかかる負担のバランスが崩れたりして、痛みや動かしにくさが出る病気です。加齢にともなう変化のほか、体重の増加、過去のけが、半月板や靱帯の障害、脚の変形などが関係することもあります。主な症状は、膝の痛み、腫れ、曲げ伸ばしのしにくさで、進行すると歩くこと自体がつらくなることもあります。
診断では、症状の経過や生活で困っていることをうかがい、膝の腫れ、押して痛む場所、動く範囲、O脚の程度などを確認します。画像検査としてはレントゲンが基本で、必要に応じてMRIを行います。症状の強さと画像の変化が必ずしも一致しないこともあるため、診察と検査をあわせて判断することが大切です。
PRP治療とは



PRPはPlatelet-Rich Plasma(多血小板血漿)の略です。
患者さんご自身の血液を採取し、遠心分離して血小板を多く含む成分を取り出し、それを膝関節に注射します。血小板には、体の修復に関わるさまざまな成分が含まれており、痛みや機能の改善を目的に用いられます。
PRP治療は、変形性膝関節症の方すべてに同じように向いているわけではありません。現在の報告では、軽度から中等度の変形性膝関節症で効果が期待される可能性があるとされています。一方で、膝の変形がかなり進んでいる場合には、ほかの治療法を優先して考えることもあります。
PRP治療はどんなときに検討される?



変形性膝関節症の治療は、まず保存療法が基本です!
具体的には、運動療法、体重管理、痛み止めや外用薬、装具、ヒアルロン酸注射、リハビリテーションなどを組み合わせて行います。日本整形外科学会でも、患者教育や生活指導、運動療法などの保存療法が治療の中心になると示されています。
そのためPRP治療は、「最初に必ず受ける治療」というより、こうした基本的な治療を行ったうえで、症状の強さや画像所見、年齢、生活スタイルなどを踏まえて検討されることが多い治療です。膝の痛みが続いていて、今の治療だけで十分な改善が得られない場合に、選択肢のひとつとして相談する、というイメージがわかりやすいでしょう。
PRP治療の効果と注意点
PRP治療については、膝の痛みや動きやすさの改善がみられたという研究があります。米国整形外科学会(AAOS)でも、軽度から中等度の膝の変形性関節症に対して、有効性を示す報告が増えていると紹介されています。



ただし、PRPは万能な治療ではありません。
海外の公的評価では、大きな安全性の懸念は示されていない一方で、効果に関する根拠はまだ十分にそろっているとは言えず、結果には個人差があるとされています。PRPの作り方や成分の違いによっても、効果に差が出る可能性があります。また、ご自身の血液を使う治療であっても、注射である以上、注射後の痛み、腫れ、炎症、出血、感染などには注意が必要です。
「PRPをすれば軟骨が元どおりになる」と期待しすぎるのではなく、現在の膝の状態に合った治療かどうかを整形外科で見極めることが大切です。
まず大切なのは、膝の状態を正しく知ること
膝の痛みがあると、「注射がいいのか」「リハビリを続けるべきか」「手術も考えたほうがいいのか」と迷う方は少なくありません。しかし、変形性膝関節症は進み方や症状の出方に個人差が大きく、同じ“膝の痛み”でも治療の考え方が変わることがあります。だからこそ、まずは整形外科で今の膝の状態を正しく確認することが大切です。
歩き始めの痛みが増えてきた方、階段の上り下りがつらい方、膝が腫れやすい方、長く歩けなくなってきた方は、一度相談をおすすめします。適切な診断を受けたうえで、運動療法、生活指導、薬物療法、注射治療、PRP治療などの中から、自分に合った方法を一緒に考えていくことが大切です。
まとめ
変形性膝関節症は、加齢や体重、けがなどをきっかけに起こり、膝の痛みや動かしにくさを生じる病気です。PRP治療は、ご自身の血液から血小板を多く含む成分を取り出して膝に注射する方法で、軽度から中等度の方で症状改善が期待されることがあります。
一方で、PRPはすべての方に同じ効果が期待できるわけではなく、効果には個人差があります。そのため、まずは膝の状態を正しく診断し、運動療法や生活指導などの基本治療も含めて、どの治療が合っているかを整形外科で相談することが大切です。
膝の痛みや変形性膝関節症、PRP治療について気になることがある方は、山形・寒河江で整形外科をお探しの際は、おやま整形外科クリニックまでお気軽にご相談ください。
費用について(自由診療)
| 治療費 | 128,000円 |
PRP療法は、一般的に健康保険の対象外となり「自由診療 」となります。
副作用について
PRP療法はご自身の血液を用いますが、注射である以上、以下のようなリスクがあります。
- 注射部位の痛み、腫れ、熱感、内出血
- 一時的に痛みが増すこと
- 採血に伴う気分不良、ふらつき
症状の程度や経過には個人差があります。気になる症状があれば早めにご相談ください。
監修医師:医療法人社団月山会 理事長 小山 翔平


