【切断指】突然の事故で指を失ってしまったら

「作業中に指をケガしてしまった」「事故で指が取れてしまったかもしれない」このような状況は、誰にとっても強い不安と恐怖を感じる出来事です。

指の切断は、日常生活や仕事、交通事故など、思いがけない場面で起こることがあります。しかし現在では、早く正しい対応ができれば、指を再びつなげられる可能性がある時代になっています。
大切なのは、慌てずに適切な行動をとり、速やかに医療機関へ相談することです。

目次

切断指とは

切断指とは、事故や外傷によって指の一部または全部が体から切り離されてしまった状態を指します。皮膚やすじなどがわずかにつながっている場合は「不全切断指ふぜんせつだんし」と呼ばれます。指は、物をつかむ・感じる・細かい作業をするなど、生活に欠かせない役割を担っています。そのため治療では、見た目だけでなく、動きや感覚をできる限り回復させることが大切になります。

切断指の症状

切断指では、次のような症状がみられます。

  • 指が途中から、または完全に切れている
  • 切断部位からの出血
  • 強い痛み、または感覚がなくなる
  • 指が動かせない、物をつかめない

原因としては、作業中の事故、転倒、交通事故、機械や刃物によるケガなどが多くみられます。

切断指の診断方法

診察では、切断の状態・損傷の範囲・血管や神経の状態を確認します。
再接着が可能かどうかは、切れ方や保存状態、受傷からの時間などを総合的に判断して決まります。

切断指の治療(切断指再接着術)

切断指の治療では、手外科を専門とする医師による「切断指再接着術」が行われます。
これは、非常に細い血管や神経を顕微鏡でつなぐ高度な手術(マイクロサージャリー)です。

事故直後の対応がとても重要です

切断された指は、「ガーゼやラップで包む」、「ビニール袋に入れる」、「その袋を氷で冷やす」という方法で保存し、凍らせないよう注意して早めに病院へお持ちください。※氷水に直接入れたり、冷凍するのは避けましょう。

再接着できる可能性が高いケース

  • 刃物などで鋭く切れた場合
  • 損傷が限られている場合

再接着が難しいケース

  • 強く押しつぶされた指
  • 引きちぎられたような損傷
  • 熱が加わった切断
  • 冷却されず時間が経過した場合

手術では、骨を固定し、血管・神経を丁寧につなぎます。
成功すれば、動きや感覚が回復する可能性がありますが、年齢や血管の状態、喫煙の有無なども影響します。

術後の経過と注意点

手術後しばらくは、血管が詰まるリスクがあるため慎重な管理が必要です。手は固定し、腫れを防ぐために挙上や保温を行います。
血流を保つための点滴治療も行われ、喫煙は厳禁となります。指の運動はすぐには始めず、血流が安定してから段階的に行います。感覚の回復には数か月かかることもあります。

切断指のリハビリ

切断指の治療では、手術後のリハビリがとても重要です。
リハビリの目的は、指の動きや感覚を取り戻し、日常生活に戻ることです。

  • 関節が固まらないようにする運動
  • 腫れを抑えるケア
  • 物をつかむ・つまむ動作の練習
  • 感覚を取り戻すための刺激訓練

状態に応じて、数週間から数か月以上かかることもあります。手のリハビリに詳しい療法士がいる医療機関での継続的なサポートが望まれます。

切断指の予防

切断指を防ぐためには、日頃の注意がとても大切です。作業時には保護具を使用し、工具や機械の使い方を守りましょう。疲れているときや焦っているときは、無理な作業を避けてください。
ご家庭では、危険な道具を子どもの手の届かない場所に保管することも重要です。「安全を最優先に行動すること」が、最大の予防になります。

監修医師のアドバイス

指の切断は強い不安を伴うケガですが、早く正しく対応することで、指を守れる可能性があります。事故直後の保存方法と、できるだけ早い受診が、その後の治療結果を大きく左右します。また、手術後はリハビリまで含めて治療です。医師や療法士と相談しながら、無理のないペースで続けることが、日常生活への回復につながります。

おやま整形外科クリニックでの治療費の例

初診の診察レントゲン(6方向)・処方箋
1割負担:約900円
2割負担:約1,780円
3割負担:約2,670円
再診の診察・物理療法
(電気治療、ウォーターベット)
1割負担:約110円
2割負担:約220円
3割負担:約330円
再診の診察・運動器リハビリ(理学療法士)
1割負担:約450円
2割負担:約890円
3割負担:約1,340円
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