【舟状骨骨折】手首の痛みが続く方へ

2025-11-28

転倒して手をついたあと、「手首の親指側だけ痛みが残っている」「腫れは少ないのに、なぜか動かすと強く痛む」

このような症状が続くときは、舟状骨骨折しゅうじょうこつこっせつという手首の骨折が隠れている場合があります。
スポーツ中の転倒や日常生活のちょっとしたケガでも起こりやすい骨折です。

舟状骨骨折とは

舟状骨は、手首にある8つの小さい骨のひとつで、特に親指側に位置します。手首の安定性を保ちながら、細かな手の動きを助ける重要な骨です。転倒時に手をついたり、スポーツや交通事故で強い衝撃が加わったときに骨折することが多く、手首の骨折の中でも頻度が高い代表的な骨折です。

舟状骨は血流が乏しい構造のため、治りにくい骨折としても知られ、早期の診断と治療がとても大切です。

舟状骨骨折でよく見られる症状は次の通りです。

腫れが少ないため捻挫と勘違いされやすいのが特徴です。放置すると骨がくっつかず、偽関節ぎかんせつという状態になり、慢性的な痛みや機能障害につながることがあります。

舟状骨骨折の多くは次のような状況で起こります。

日常生活の「ちょっとした転倒」でも起こるため、年齢や運動量に関係なく注意が必要です。

舟状骨骨折は見逃されやすい骨折のひとつです。

痛みの場所や転倒の状況、症状の出たタイミングを詳しく伺います。

手首の腫れ・圧痛（押したときの痛み）・可動域・感覚の異常などを確認します。

舟状骨は傾いた位置にあるため、通常の角度だけでは骨折が写らない場合があります。

骨折線が分かりにくい、細かな骨のずれを確認したい、軟部組織の損傷をチェックしたい、こういった場合には、より詳細なCTやMRIを追加して正確に診断します。

早期に発見することが、治りやすさに直結します！

舟状骨骨折の治療は、骨折の状態によって「保存療法」と「手術療法」に分かれます。

※舟状骨は血流が少ないため、他の骨に比べて治癒まで長くかかることがあります。

次のような場合は手術をすすめることがあります。

手術では、小さなスクリューなどで骨を固定し、治るまでの期間を短縮します。

治療後のリハビリは非常に重要です。目的は次の3つです。

痛みの緩和や治癒を助けるために、物理療法（温熱・超音波など）を併用することもあります。
自宅でできる安全なストレッチ・運動も丁寧に指導します。

舟状骨骨折を防ぐために、以下の対策が有効です。

日常の少しの心がけで、手首のケガは大幅に減らすことができます。

舟状骨骨折は、腫れが少なく「捻挫」と思って放置されやすい骨折です。しかし、放置すると治りにくく、長期的な痛みにつながることもあります。手首の痛みが1週間以上続く場合、特に 「親指側の痛みがなかなか取れない」 という方は、早めの受診をおすすめします。