膝のヒアルロン酸注射が効きにくいときの次の選択肢と受診の目安


ヒアルロン酸注射を続けていたけれど、最近は前より効かない気がする。このまま同じ治療を続けてよいのか不安。
このようなお悩みをお持ちの方は少なくありません。ヒアルロン酸注射は、膝の痛み、とくに変形性膝関節症に対して行われることが多い治療ですが、効果の感じ方には個人差があり、症状の進み方によっては以前と同じような改善を感じにくくなることもあります。
大切なのは、「効かなくなった=すぐ手術」と考えることではなく、今の膝の状態をあらためて確認し、自分に合った次の選択肢を考えることです。この記事では、ヒアルロン酸注射が効きにくいと感じたときに考えたいことを、膝の痛みでお悩みの患者さん向けに分かりやすくご説明します。山形・寒河江で整形外科をお探しの方にも参考にしていただける内容です。
ヒアルロン酸注射が効きにくくなるのはなぜ?
ヒアルロン酸は、もともと関節の中にある“潤滑油”のような成分です。膝関節の動きをなめらかにし、衝撃をやわらげる働きが期待されています。そのため、変形性膝関節症による膝の痛みに対して、関節内に注射を行うことがあります。
ただし、ヒアルロン酸注射はすべての方に同じように効く治療ではありません。研究やガイドラインでも、痛みや動きの改善効果は一定ではなく、「楽になる方もいる一方で、十分な変化を感じにくい方もいる」とされています。また、関節の変形が進んでくると、以前より効果を感じにくくなることがあります。
まず見直したいのは「今の痛みの原因」です



ヒアルロン酸注射が効きにくくなったときは、単純に“注射が合わなくなった”とは限りません。
膝の痛みの背景には、変形性膝関節症の進行、炎症の強まり、筋力低下、歩き方のくせ、体重の負担など、さまざまな要素が関わります。膝の痛みや腫れ、こわばり、曲げ伸ばしのしにくさは、関節の状態が変わってきたサインであることもあります。
整形外科では、症状の経過を伺うだけでなく、腫れ・熱感・動き・歩き方などを確認し、必要に応じてレントゲンやMRIなどの画像検査を行います。今の痛みがどこから来ているのかを整理することで、治療の方向性が見えやすくなります。
ヒアルロン酸のあとに考えられる治療とは?



膝の治療は、注射だけで決まるものではありません。
一般的には、まず運動療法(リハビリ)、負担の少ない運動、体重管理、サポーターや装具、痛み止めの使い分けなどを組み合わせながら進めていきます。こうした基本的な治療を見直すことで、症状が安定することもあります。状態によっては、ステロイド注射で炎症を一時的に抑える方法が検討されることもあります。米国整形外科学会(AAOS)でも、関節内ステロイド注射は短期的な痛みの軽減に役立つ可能性があるとされています。
さらに、手術以外の選択肢の一つとして、PRP療法(多血小板血漿療法)が検討されることがあります。PRP療法は、ご自身の血液から血小板を多く含む成分を取り出して注射する治療です。血小板には組織の修復に関わる成分が含まれているとされ、膝の変形性膝関節症では、痛みの軽減や機能改善が期待される場合があります。AAOSでも、PRPは膝の変形性膝関節症に対して痛みを減らし、機能を改善する可能性があるとされていますが、根拠の強さは限定的で、効果には個人差があります。
つまり、ヒアルロン酸注射が効きにくくなったあとに大切なのは、「次は何を打つか」だけではなく、今の膝に合った治療を組み立て直すことです。場合によっては、リハビリを中心に見直したほうがよいこともありますし、症状や画像所見によっては手術の相談が適切な場合もあります。
こんなときは整形外科で相談をおすすめします
次のような場合は、自己判断で様子を見るよりも、整形外科で一度状態を確認することをおすすめします。
- ヒアルロン酸注射をしても痛みが続く
- 階段の上り下りや歩行がつらい
- 膝が腫れる、こわばる、曲げ伸ばししにくい
- 以前より注射の効く期間が短くなってきた
- 手術は避けたいが、他の方法があるか知りたい
こうした変化は、治療の見直しが必要なサインかもしれません。早めに状態を把握することで、選べる治療の幅が広がることもあります。
まとめ
ヒアルロン酸注射が効きにくくなったと感じても、悲観しすぎる必要はありません。大切なのは、膝の状態をあらためて確認し、今の症状に合った治療を選び直すことです。ヒアルロン酸以外にも、リハビリ、生活習慣の見直し、痛み止め、ステロイド注射、PRP療法、そして必要に応じた手術など、選択肢はいくつかあります。
「前より効かない気がする」「このままでよいのか迷う」と感じたときは、治療をあきらめるのではなく、膝の状態を見直すタイミングかもしれません。ご自身に合った方法を一緒に考えていくことが大切です。
膝の痛みや変形性膝関節症、PRP治療について気になることがある方は、山形・寒河江で整形外科をお探しの際は、おやま整形外科クリニックまでお気軽にご相談ください。
費用について(自由診療)
| 治療費 | 128,000円 |
PRP療法は、一般的に健康保険の対象外となり「自由診療 」となります。
副作用について
PRP療法はご自身の血液を用いますが、注射である以上、以下のようなリスクがあります。
- 注射部位の痛み、腫れ、熱感、内出血
- 一時的に痛みが増すこと
- 採血に伴う気分不良、ふらつき
症状の程度や経過には個人差があります。気になる症状があれば早めにご相談ください。
監修医師:医療法人社団月山会 理事長 小山 翔平

