オパルモン(リマプロスト)
オパルモン(一般名:リマプロスト)は、血管を拡張させる作用により、血液の流れ(循環)を改善するお薬です。その結果として、手足のしびれや痛み(疼痛)、冷えなど、血行不良が原因と考えられる症状をやわらげる効果があります。主に、閉塞性動脈硬化症など、血管が狭くなったり詰まったりすることで手足に十分な血流が届かなくなっているような病気に使われます。
オパルモンの作用・効果
血液の流れが悪くなると、手足(四肢)にしびれや痛み(疼痛)、冷えなどの症状があらわれることがあります。たとえば、腰部脊柱管狭窄症では、脊髄(中枢神経)が通る「脊柱管」と呼ばれるトンネル状の空間が、腰の部分で狭くなり、神経が圧迫されます。さらに周囲の血管も圧迫されるため、血流が低下し、腰の痛みやしびれ、間欠性跛行といった症状が起こります。※間欠性跛行とは、歩行中に足のしびれや痛みが出て、少し休むと症状が軽くなるという特徴的な症状です。
また、閉塞性血栓血管炎では、手足への血流が悪くなることで、冷感、しびれ、チクチクとした痛みなどが現れます。このように、血管が狭くなって血液の流れが滞ることで、さまざまな不快な症状が引き起こされます。
オパルモンは、プロスタグランジンE1という物質の誘導体で、血管を広げて血流を改善する作用があります。これにより、腰部脊柱管狭窄症や閉塞性血栓血管炎によるしびれや痛み、冷えなどの症状を和らげる効果が期待できます。
用法・用量
後天性の腰部脊柱管狭窄症の場合
- 1日3回(朝・昼・夕)に分けて、合計15µg(マイクログラム)を服用します。
閉塞性血栓血管炎の場合
- 1日3回(朝・昼・夕)に分けて、合計30µgを服用します。
手術やけが、抜歯の後の痛みや腫れを抑える場合
- 最初は400mgを1回だけ飲みます
- その後は1回200mgを、6時間以上あけて、1日2回まで飲むことができます。
※ この場合は「必要なときだけ飲む(頓用)」でも使えます。
※ 飲む間隔は6時間以上あけること、1日2回までがルールです。
飲み忘れたときの対応
- 気がついた時点で1 回分を服用してください。
- 気がついた際の時間と次に飲む時間の間隔が短い際は、飲み忘れたお薬は服 用せず、次に服用する時間に1回分を服用してください。
- 2回分を一度に服用することはしないでください。もしも多く服用してしまった場合は医師または薬剤師に相談してください。
服用の仕方
- コップ1 杯の水もしくは、ぬるま湯で服用してください。
オパルモンの注意事項
- 服用により、顔や体がほてることがあります。これはオパルモンの血管を広げる作用によるもので、多くの場合は心配いりません。
- 出血しやすくなったり、あざができやすくなることがあります。また、一度できたあざが消えにくいこともあります。ケガをしないように注意してください。
副作用
- 全身のだるさ(倦怠感)
- 食欲がなくなる(食欲不振)
- 皮膚や白目が黄色っぽくなる(黄疸):肝臓の機能が弱っているサインです
これらは重い副作用の初期症状として現れることがあります。このような症状に気づいた場合は、すぐに医師または薬剤師にご相談ください。
妊婦 ・授乳婦の方へ
- 妊娠中の方、妊娠の可能性がある方は、服用できません。
- 服用中に妊娠がわかった場合は、すぐに医師にご相談ください。
複数の医療機関を受診されている方へ
複数の医療機関を受診する場合や、薬局で市販薬を購入する場合には、必ずこの薬を服用していることを医師または薬剤師に伝えてください。
保管方法
- お子様の手の届かないところに保管 してください。
- 室温(1~30°C )で、日光や湿気を避けてください。
- 薬が残ってしまった時は、お薬を受け取った薬局にて廃棄方法を相談し、保管はせずに破棄するようにしてください。
まとめ
血液の流れが悪くなると、痛みやしびれ、疲れが現れることがあります。オパルモンは、血流を改善することで、こうした症状をやわらげるお薬です。
腰部脊柱管狭窄症では、オパルモンのように血流を良くして症状を和らげる薬のほか、リリカ(プレガバリン)のように神経に伝わる痛みの信号を弱める薬も使われることがあります。作用の仕組みは異なりますが、いずれも症状の改善に役立ちます。オパルモンを服用すると、出血しやすくなったり、あざができやすくなることがあります。同じような作用をもつ薬もありますので、他の病院や薬局にかかるときは、必ずオパルモンを服用していることを伝えてください。
また、運動不足や食生活の乱れ、ストレスなども血流の悪化につながります。お薬の服用に加えて、生活習慣の見直しもあわせて行うことが大切です。症状やお薬のこと以外でも、気になることがあれば医師や薬剤師に遠慮なくご相談ください。
監修薬剤師・医師
- 仲上 大貴(なかがみ だいき):薬剤師…志薬塾塾長
- 小山 翔平(おやま しょうへい): 日本整形外科学会 認定専門医
当院での処方について
処方箋は発行日を含めて4日以内に、かかりつけの薬局でお薬と引き換えてください。4日を過ぎると処方箋は無効となり、お薬を受け取れなくなりますのでご注意ください。
