タリージェ(ミロガバリン)
神経の圧迫や障害による神経障害性疼痛疼痛のうち、特に末梢性神経障害性疼痛に用いられる痛み止めになります。
タリージェの作用・効果
痛みは日常生活のさまざまな場面で感じることがありますが、原因によっていくつかのタイプに分類されます。
侵害性疼痛
火傷や骨折などにより生じる炎症が原因で起こる、一般的な痛みです。
神経障害性疼痛
脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアによる神経の圧迫、または糖尿病などによる神経自体の障害が原因で起こる痛みです。神経そのものが傷ついているため、しびれやピリピリするような痛みを伴うことがあります。
このほかに、心理的・社会的な要因によって引き起こされる痛みも存在します(心因性疼痛)。
神経障害性疼痛は大きく2種類に分けられます:
中枢性神経障害性疼痛
脳や脊髄などの中枢神経に障害がある場合に起こります。
末梢性神経障害性疼痛
全身に分布する末梢神経(中枢神経から枝分かれして、身体の各部とつながる神経)が障害されて起こるものです。
タリージェは、神経障害性疼痛の中でも「末梢性神経障害性疼痛」に対して用いられるお薬です。神経が圧迫されたり傷ついたりすると、痛みの信号(神経伝達物質)が過剰に放出され、それが脳に伝わって「痛み」として感じるようになります。この神経伝達物質の放出には、カルシウムが神経細胞内に取り込まれることが必要です。タリージェは、神経細胞のカルシウムチャネルに作用し、この過剰な信号の放出を抑えることで、痛みをやわらげます。
用法・用量
- 年齢、症状により1回10mgから15mgの範囲で適査増減し、1日2回服用してください。
後々に増量していくのはめまいや眠気といった副作用が現れるのを防止するためになります。
飲み忘れたときの対応
- 気がついた時点で1 回分を服用してください。
- 気がついた際の時間と次に飲む時間の間隔が短い際は、飲み忘れたお薬は服用せず、次に服用する時間に1回分を服用してください。
- 多く服用してしまうと、声が出ない・ろれつが回らない、頭痛、飲み込む機能が衰える、関節のはれな どの症状が現れることがありますので2回 分を一度に服用することはしないでください。もしも多く服用してしまった場合、医師または薬剤師に相談してください。
服用の仕方
コップ1 杯 の水も しくはぬるま湯で服用してください。
タリージェの注意事項
- タリージェによる治療は痛みの原因を取り除くものではないです。痛みの原因となる疾患をしっかりと診断してもらい、リリカによる薬物治療を漠然と服用し続けることは避けましょう。
- 服用の急な中断によって、不眠、吐き気、頭痛、下関などがあらわれることがあるので減量の際は除々に減量していきます。自己判断で服用を中断せず、医師の指示に従いながら減量してください。
- めまい・強い眠気・意識が遠のくような症状があらわれることがあります。そのため、自動車や自転車の運転、高いところでの作業など、危険を伴う作業は控えてください。特にご高齢の方は、転倒によってケガや骨折をしてしまうおそれもありますので、十分にご注意ください。
- 体重が増えることがあります。体重増加は服用量を増やした場合、長期間限用している場合に多いです。普段から体重を測るように心がけましょう。
- 目がかすむ、物が重なったり二重に見える、視力が落ちるなど、眼に関する副作用があらわれることがあります。 このような症状があらわれた場合には医師または薬剤師に相談してください。
- 飲酒により、ふらつき(平衡感覚の障害)やめまい、注意力の低下などの症状が強く出ることがあります。服用中の飲酒は控えるようにしてください。
副作用
- ふらつき、意識がぼんやりして睡眠に近い状態、意識がなくなる【めまい、 傾眠、意識消失】
- 全身倦意感、食欲不振、 吐き気、嘔吐、黄疸 【肝機能障害】
【】で示した副作用が現れる際に、最初に現れる症状になります。このような症状が出た場合には、すぐに医師または薬剤師に相談してください。
妊婦 ・授乳婦の方へ
- 妊婦・または妊娠 している可能性がある人、授乳婦は医師に相談してください。
複数の医療機関を受診されている方へ
複数の医療機関を受 する場合や、薬局などで他の薬を購入する場合は、必ずこの薬を飲んでいることを医師または薬剤師に伝えてください。
保管方法
- お子様の手の届かないところに保管 してください。
- 室温(1~30°C )で、日光や湿気を避けてください。
- 薬が残ってしまった時は、お薬を受け取った薬局にて廃棄方法を相談し、保管はせずに破棄するようにしてください。
まとめ
タリージェは、リリカと同じく、めまいや眠気、体重増加、視力に関する副作用が出やすいお薬になります。症状が出たり、不安な点がある時は必ず医師や薬剤 師に相談して、安全に 治療を進めていきましょう。
監修薬剤師・医師
- 仲上 大貴(なかがみ だいき):薬剤師…志薬塾塾長
- 小山 翔平(おやま しょうへい): 日本整形外科学会 認定専門医
当院での処方について
当院では、門前薬局の椿メディカル様をはじめ、さまざまな薬局でお受け取りいただける処方箋を発行しております。処方箋は、ご自身のかかりつけ薬局で 必ず4日以内 にお薬と引き換えてください。4日を過ぎると無効となり、お薬を受け取れなくなってしまいますので、ご注意ください。