山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックの疾患説明頭部外傷
私たち整形外科には、
- 転んだ
- ぶつけた
などで全身の各所を痛めて来院される患者様が多くいらっしゃいます。そんな患者様の中には頭をぶつけられて来院される患者様もいらっしゃります。頭の外傷は整形外科ではなく脳神経外科が専門となりますので、もしご心配な場合は脳神経外科の受診を検討していただければ幸いです。しかし、
- 夜間で脳神経外科がやっていない…
- 休日でかかりつけの先生がおやすみだ
などというときのために、ここでは頭を打った場合に気を付けるべき注意事項についてご説明します。
頭部外傷後の注意事項
受傷直後は以下の点に注意して経過を見てください。
- しびれやけいれんはないか
- 麻痺(手足に力が入らない)はないか
- 吐いていないか
- 意識や記憶の障害はないか
- ぐったりしていないか
- 頭痛やめまいはないか
ご自分だけでは判断が難しいこともありますので、ご家族の皆さんが怪我した患者様を観察して上記の症状がないかをチェックしてみて下さい。それぞれ、一つでも当てはまればすぐに救急車を呼んでください。頭蓋内出血(脳出血・くも膜下出血)などの可能性が考えられます。
頭部外傷をおこした日の注意点
頭をぶつけた当日は以下の点にご注意してお過ごしください。
- できるだけ安静にしましょう→安静にして脳や頭部の回復を高めます
- 入浴は控えましょう→血圧が高くなり、再度症状が悪化することがあります
- 食事の量は控えめにしましょう→万が一、嘔吐した場合に備えます
- アルコールは控えましょう→血流がよくなり、症状が悪化することがあります
これらを守り、できるだけ頭部や脳にやさしい生活を送り、ケアしていきます。
翌日以降の注意点
時間がたったあとも以下の症状がある場合は最寄りの脳神経外科の受診や救急車の要請を検討して下さい。
- 意識状態の変化
- 意識が薄れてきた、意識がなくなってきた
- つじつまの合わない言動がある
- 子供の場合: 普段興味のあることに関心を示さずぼんやりしている(おもちゃで遊ばない、アニメを見ないなど)
- 頭痛の出現、頭痛の悪化
- 嘔吐を繰り返す
- けいれんの出現
- 失禁してしまう(大・小関わらず便を漏らしてしまう)
- 呂律(ろれつ)が回らない
- 手足が動かせない(「左半身のみ」もしくは「右半身のみ」など、身体の半分だけが動かせない場合は要注意)
これらは怪我した直後だけではなく時間がたってから症状が出てくる場合もありますので受傷後2~3日は気を付けてください。「慢性硬膜下血腫」というご高齢の方に多いご病気は、受傷してからじわじわと頭蓋内に出血し続け、1~2ヶ月後にようやく発症することもあります。頭痛、麻痺(左半身か右半身のどちらかだけに力が入らない、歩けないなど)、認知症症状(物忘れ)、尿失禁などの症状をがでることがあります。頭をぶつけたとき怪我した直後だけでなく、受傷から1~2カ月は気を引きしてめて様子をみてください。
治療費
この応急処置は患者様皆さまが行っていただくものであり、当院での治療ではありません。そのため、治療費の設定はありません。もし頭を怪我され、上記のような症状がみられた場合や、まだ症状がなくても心配な場合は最寄りの脳神経外科の先生にご相談しましょう。
まとめ
頭の怪我はとても心配な怪我であり、命に関わることもあります。まずは患者様の症状や状態をしっかりと観察し、心配な症状があるときはすぐに脳神経外科の受診を検討しましょう。麻痺や嘔吐などの症状があるときは救急車の要請もためらわないでください。後遺症を残さず治療するためにも、一刻も早い受診につなげてください。
動画提供
合同会社 Medivery 運営 YouTube チャンネル: "Medivery 大学病院"
「つき指やすり傷、ひねり傷に対しての正しい処置方法とは?【RICE】」より
監修医師
小山 翔平(おやま しょうへい): 日本整形外科学会 認定専門医…おやま整形外科クリニック 院長
山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックの院長紹介
氏名: 小山 翔平(おやま しょうへい)
出身地: 山形県寒河江市
資格: 日本整形外科学会 認定専門医