「四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)」のリハビリ

「四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)」のリハビリ

山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックのリハビリ解説


四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)とは?

肩関節周囲炎は中年以降に多く、得に40~50歳代以降に多く見られることから四十肩・五十肩とも言われます。症状として疼痛(運動時痛、夜間痛)関節可動域の制限(肩関節の関節包の癒着、筋の硬直)などが挙げられます。筋力低下は伴わないのが特徴です。原因は、関節を構成する骨・軟骨・靭帯・腱などが老化して肩関節周囲の組織に炎症が起きるためとされています。リスクには

  • 糖尿病
  • 肩関節術後
  • 甲状腺疾患
  • 高脂血症
  • 職業(デスクワーク)

などが挙げられます。糖尿病の方によく発症し、特にインスリン注射を必要とする患者様に発生率が高いと言われています。

四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)の治療過程

肩関節周囲炎は通常、以下の3期を経て、1年ほどかけて治癒します。

①凍結進行期: 2~9か月

症状の発現から増悪する時期です。症状の出現時期は一定せず、肩関節周囲の鈍痛が最初の症状であることが多いです。原因がはっきりしない場合が多いですが、軽微な外傷を機転とすることもあります。合わせて可動域制限が出現します。

②凍結(完成)期: 4~12か月

安静時痛・夜間痛や運動時の激痛が軽快し、周辺組織の癒着や短縮による拘縮(肩が固くなり動きにくくなること)主症状とする時期です。痛みは大きく動かしたときのみ生じます。可動域は全方向(特に外旋: 外にひねった時)に制限されます。

③解凍(寛解)期: 12~24か月

周辺組織に伸展性が生まれて拘縮が徐々に改善し、困難であった動作が遂行可能になってくる時期です。可動域が改善します。

四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)に対するリハビリ

肩関節周囲炎に対するリハビリは、①凍結進行期②凍結期以降で内容が異なります。

  • 凍結進行期: 除痛や筋緊張の緩和、関節可動域の維持を目的
  • 凍結期以降: 関節可動域の改善とQOLの向上、再発予防を目的

としてリハビリを進めます。これらの目的に合わせて、適切な運動療法や物理療法を選択し実施していきます。

① 凍結進行期

凍結進行期では痛みの管理が重要です。安静を第一として、寒冷療法リラクゼーションおよび愛護的な関節可動域運動を行います。

日常生活動作についてもご指導させていただき、三角巾の使用保温良肢位(負担の少ない腕の位置)の説明・練習を行います。例えば、脇を閉めたときに痛みがでるようであれば、バックやタオルを脇に挟んだり、ポケットに手を入れるなどの動作を取ることで痛みのコントロールができます。

また、体幹や前腕など隣接関節の可動域を拡大したり、日常生活の動作方法を健側(痛みのない方)を中心にご指導し、環境を整えるなどの準備も行います。

② 凍結(完成)期以降

疼痛が軽減し凍結期になると、温熱療法(ホットパック、入浴)運動療法を行いながら関節可動域の改善筋力の強化を図ります。腕をぶらぶらと動かす振り子運動やゴムチューブを使用した肩甲骨周囲・肩関節のインナーマッスルの筋力強化など徐々に進めていきます。反復的なストレッチを行い、筋肉などの組織に適度な微細損傷を起こすことで組織の修復を図ります。

またストレッチに関しては

  • 筋が硬い
  • 関節包が硬い
  • どういう動きの方向で制限されるのか

などの状態によってストレッチの方法が異なります。詳しくは当クリニックでご紹介します。

凍結期初期で疼痛が残存している場合には、炎症の再燃による疼痛増悪を起こす危険性があるので、注意して進めていきます。

四十肩・五十肩(肩関節周囲)に対する注意事項

スポーツ復帰

スポーツ復帰の際には、各スポーツによって必要な機能や動き方が異なります。肩の機能回復を目指しながら、各スポーツ動作に合わせたトレーニングメニューも検討していきます。

放置した場合

肩関節周囲炎は放っておいてもいつか治ると言われることもありますが、

  • 自己判断での放置
  • 不適切な運動

によって症状が悪化したり、回復が長引いてしまう可能性もあります。できるだけ早期に受診し、適切な治療を受けることが大切です。

山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックのリハビリの特徴

おやま整形外科クリニックでは医師の診察で必要と判断された場合にリハビリ行うことができます。リハビリは運動療法と物理療法に分かれます。”運動療法”では歩き方、関節の曲げ伸ばし方法などを、理学療法士をはじめとしたリハビリスタッフが温かく・丁寧に訓練させていただきます”物理療法”ではマッサージ、衝撃波、超音波、電気、レーザーなど、最新の治療機器を用いて施術します

またこれらの治療に使用する器具・機械は、インターリハ株式会社様ご協力のもと、国内・海外のメーカを問わずプロ野球チーム・プロサッカーチームも採用している最新の治療機器を準備・輸入しております。

スタッフもリハビリ室・リハビリ器具も最新鋭で最高の環境を整えておりますので、是非当院でのリハビリをご検討ください。

治療費

おやま整形外科クリニックでの治療費の例

1割負担2割負担3割負担
初診の診察
レントゲン
リハビリ
処方箋
約***円約***円約***円
再診の診察
物理療法
(電気治療、ウォーターベット)
約***円約***円約***円
再診の診察
運動器リハビリ
(理学療法士)
約***円約***円約***円
再診の診察
膝関節注射
運動器リハビリ
(理学療法士)
約***円約***円約***円

※上記はあくまで一例です。患者さまのご年齢・レントゲンの必要撮影枚数・処方箋の内容・リハビリの内容などにより、前後することがございます。ご理解いただけますと幸いです。

動画提供

おやま整形外科クリニック YouTube チャンネル: おやま整形外科クリニック

「肩のリハビリ」より

監修

  1. 日塔 善之(にっとう よしゆき): 日本理学療法士協会 認定理学療法士…おやま整形外科クリニック リハビリ部長
  2. 小山 翔平(おやま しょうへい): 日本整形外科学会 認定専門医…おやま整形外科クリニック 院長

山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックの院長紹介

氏名: 小山 翔平(おやま しょうへい)
出身地: 山形県寒河江市
資格: 日本整形外科学会 認定専門医