山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックのお薬説明
ノイロトロピンとは
ブラジキニンの産生を抑制する、下行性抑制系の働きを亢進する、末梢の血液循環を改善することによって痛みを和らげるお薬になります。
ノイロトロピンの作用・効果
痛みは様々な場面で感じることがあると思います。
原因別でみると
・侵害性疼痛:火傷や骨折による炎症が原因で起こる
・神経障害性疼痛:脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどの神経圧迫や糖尿病による神経自体の障害が原因で起こる
2種類があり、それ以外に社会的・心理的な原因で起こる痛みもあります。
痛みを感じる刺激の要因として
・侵害性疼痛では火傷や骨折、外傷により発生する、発痛物質であるブラジキニンと痛みをより強める物質であるプロスタグランジンE2
・神経障害性疼痛では神経の圧迫や障害
などがあります。
神経には中枢神経(脳、脊髄)と末梢神経があります。
末梢神経には痛覚など感覚に関わる刺激を中枢神経に伝達する知覚神経、脳からの指令を伝えて実際に筋肉を動かす運動神経、それ以外に自律神経と言われる交感神経、副交感神経も分類されます。
痛みは、上記に示したような刺激が末梢神経である知覚神経を通じて、脊髄に伝達され、さらに脳へと伝えられることで痛みとして感じます。
*神経の圧迫の際、脊柱管狭窄症のような脊髄を直接圧迫し、痛みが発生することもある。
また、神経障害性疼痛のような神経の圧迫時には血管も圧迫されて血流が減少することによっても痛みやしびれが現れます。
人間には、このような痛みを和らげる「下行性痛覚抑制系」という機能が備わっています。
下行性痛覚抑制系では、ノルアドレナリン、セロトニンという物質が働くことで刺激を伝える中枢神経系の働きを抑えて、大脳に刺激が伝わらなくなり、痛みを和らげてくれます。
ノイロトロピンはブラジキニンの産生を抑えて痛みを起こさないように働きます。そして、痛みを抑える機能である下行性痛覚抑制系を活性化し、さらに血液循環の改善作用により痛みを和らげます。
ノイロトロピンの使い方
用量用法
腰痛症、頸肩腕症候群、症候性神経痛、 皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、蕁麻疹 )に伴う瘙痒 、アレルギー性鼻炎に用いる場合
通常成人 1日1回ノイロトロピン単位として、3.6 単位を静脈内、 筋肉内又は皮下に注射します。
*年齢、症状により変わります。
*疼痛以外にアレルギーや皮膚に関する疾患にも使用できます。
ノイロトロピンの注意事項
・注射部位が痛む場合があります。
副作用
呼吸困難、蕁麻疹、血圧低下[ショック、アナフィラキシー様症状]
全身倦怠感、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる[肝機能障害、黄疸]
[ ]で示した副作用が現れる際に、最初に現れる症状になります。
このような症状が出た場合には、すぐに医師または薬剤師に相談してください。
妊婦・授乳婦の方へ
・妊婦または妊娠している可能性がある人、授乳婦は医師に相談してください。
複数の医療機関を受診されている方へ
・複数の医療機関を受診する場合や、薬局などで他の薬を購入する場合は、必ずこの薬により治療を行ったことを医師または薬剤師に伝えてください。
山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックの処方箋
当院では門前薬局の椿メディカル様を中心に、各薬局様で取り換えていただくことのできる処方箋を発効しております。ご自分のかかりつけ薬局にて、必ず3日以内に引き換えてもらいましょう。3日を過ぎるとお薬に変えてもらえなくなってしまいます。お気を付けください。
治療費
現在の薬価(2021年10月時点)
1割負担 | 2割負担 | 3割負担 | |
先発品 | 約***円 | 約***円 | 約***円 |
後発品(ジェネリック) | 約***円 | 約***円 | 約***円 |
まとめ
ノイロトロピンは痛みを和らげる作用が複数あり、NSAIDsやリリカ、トラマールなどとは異った痛み止めであることがわかったと思います。
そして、痛みだけでなくアレルギーにも使用できるお薬になっており、使用できる幅が広いです。
NSAIDsに比べ胃腸の不調も少なく注射により治療を行えることがメリットになります。
錠剤もあるので、治療方法に関しては医師や薬剤師に相談してください。
監修薬剤師・医師
- 仲上 大貴(なかがみ だいき): 薬剤師…志薬塾塾長(https://haru001.wixsite.com/kaeru/blank-2)
- 小山 翔平(おやま しょうへい): 日本整形外科学会 認定専門医…おやま整形外科クリニック 院長
山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックの院長紹介
氏名: 小山 翔平(おやま しょうへい)
出身地: 山形県寒河江市
資格: 日本整形外科学会 認定専門医