「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」のリハビリ

「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」のリハビリ

山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックのリハビリ解説


概要

上腕骨外側上顆炎は、中年以降のテニス愛好家に生じやすいのでテニス肘と呼ばれています。

テニス肘の主な原因は、患部である上腕の筋肉と肘を繋げている腱に繰り返し負担がかかることです。

テニスやゴルフでボールを打つ時や重い荷物を持ち上げる時、重い鍋を振る時など、手首から上腕に外部の力が加わるような動作を繰り返し行っていると、肘の腱に少しずつストレスがかかります。

 腱へのストレスが慢性的に貯まってくると腱が炎症を起こし、周辺の血管や神経に異常をきたしてしまうのです。

特に40代以降になると筋肉のしなやかさが徐々に失われていき、上記の動作を行った際に腱にかかるストレスが強くなるので、発症する可能性が高くなります。

また、筋力が弱い人は筋肉が衝撃に対するクッションになってくれないため、家事などの日常動作でもテニス肘になってしまうリスクが高まります。

一般的には、年齢とともに肘の腱が傷んで起こります。病態や原因については十分にはわかっていませんが、主に手首(手関節)を伸ばす働きをしている短橈側手根伸筋の起始部が肘外側で障害されて生じると考えられています。

 

主な原因筋は次の3つが挙げられます。

長橈側手根伸筋:手首(手関節)を反らす働きをします。

短橈側手根伸筋:同様に手首を反らす働きをします。

総指伸筋:指を反らす働きをします。

治療

保存療法

  1. 手首や指のストレッチをこまめに行います。
  2. スポーツや手をよく使う作業をひかえて、湿布や外用薬を使用します。
  3. 肘の外側に局所麻酔薬とステロイドの注射をします。
  4. テニス肘用のサポーターを装着します。
  5. テーピングを使用し患部への負担を軽減します。

サポーターはバンドタイプが使いやすく、前腕の腱の近くに巻きつけるだけで痛みの緩和が期待できます。炎症によって変形した血管に血を送らないようにすることで痛みを和らげる仕組みなので、異常な血管に血を送っている動脈を圧迫するように巻くのが重要です。

手術療法

筋膜切開術、切除術、前進術、肘関節鏡視下手術などがあります。

リハビリ

・適切な休養をとる

物を握る動作や手首を反らせる動作など日常生活においても痛みが生じる場合は、しばらくは運動を休止する必要があります。また、日常生活においても可能な限り痛みの生じる動作を避けるようにします。

・緊張が高まった筋の柔軟性を回復する

運動を休止している期間に、過緊張となっている筋の柔軟性を回復させるリハビリテーションを積極的に行います。肘の外側(上腕骨外側上顆)に付着する筋のマッサージや柔軟性を改善するストレッチを行います。また、肘のみならず肩から手関節、指までの屈伸や前腕の回旋ストレッチが有用です。具体的には、右利きの選手の場合は右肘を伸ばした肢位で前腕をねじるように左手で抵抗をかけつつ牽引すると、手-肘-肩までストレッチされます。手首を反らすストレッチも有用です。プレーの合間にも積極的に行いましょう

・適切なラケットの握り方を再学習する

本来、ラケットを握る際には、インパクト時の手首の固定性を高めるために薬指や小指を中心にグリップを握ること(尺側グリップ)が望まれます。しかし、テニス肘の患った方の中には中指や人差し指を中心にラケットを握ってしまう人がみられます。中指や人差し指を中心とした握り(橈側グリップ)は、肘の外側に付着する筋の過緊張の原因となるので、ラケットの握り方を再学習する必要があります。

・再発を予防するためのトレーニングを行う

手首や肘へのストレスの集中を回避するためには、尺側グリップに必要な肘の内側の筋力や体幹や肩甲骨周囲、手首の筋力を強化することが重要になってきます。握る動作での疼痛が減弱した後に肘の内側の筋力強化を開始します。また、肩甲骨周囲の機能向上や体幹~肩甲骨周囲を効果的に利用したフォームを再獲得した後に競技復帰するようにします。

トレーニングによって疼痛のあるときはストレッチを主体にし、症状が治まってからペットボトルや1kgくらいの軽めのダンベル、またはチューブなどを用いて肘に負担がかからないように行います。

山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックのリハビリの特徴

おやま整形外科クリニックでは医師の診察で必要と判断された場合にリハビリ行うことができます。リハビリは運動療法と物理療法に分かれます。”運動療法”では歩き方、関節の曲げ伸ばし方法などを、理学療法士をはじめとしたリハビリスタッフが温かく・丁寧に訓練させていただきます”物理療法”ではマッサージ、衝撃波、超音波、電気、レーザーなど、最新の治療機器を用いて施術します

またこれらの治療に使用する器具・機械は、インターリハ株式会社様ご協力のもと、国内・海外のメーカを問わずプロ野球チーム・プロサッカーチームも採用している最新の治療機器を準備・輸入しております。

スタッフもリハビリ室・リハビリ器具も最新鋭で最高の環境を整えておりますので、是非当院でのリハビリをご検討ください。

治療費

おやま整形外科クリニックでの治療費の例

1割負担2割負担3割負担
初診の診察
レントゲン
リハビリ
処方箋
約***円約***円約***円
再診の診察
物理療法
(電気治療、ウォーターベット)
約***円約***円約***円
再診の診察
運動器リハビリ
(理学療法士)
約***円約***円約***円
再診の診察
膝関節注射
運動器リハビリ
(理学療法士)
約***円約***円約***円

※上記はあくまで一例です。患者さまのご年齢・レントゲンの必要撮影枚数・処方箋の内容・リハビリの内容などにより、前後することがございます。ご理解いただけますと幸いです。

監修

  1. 日塔 善之(にっとう よしゆき): 日本理学療法士協会 認定理学療法士…おやま整形外科クリニック リハビリ部長
  2. 小山 翔平(おやま しょうへい): 日本整形外科学会 認定専門医…おやま整形外科クリニック 院長

山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックの院長紹介

氏名: 小山 翔平(おやま しょうへい)
出身地: 山形県寒河江市
資格: 日本整形外科学会 認定専門医