「腰椎椎間板ヘルニア」のリハビリ

「腰椎椎間板ヘルニア」のリハビリ

山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックのリハビリ解説


腰椎椎間板ヘルニアとは?

ヘルニアとは本来あるべき位置から本来あってはならない位置に臓器や組織が移動した状態のことをさします。腸が足の付け根(鼠径部)から体表近くに出てくる状態を鼠径ヘルニアといい、臍から出てくることを臍ヘルニアといいます。

今回は背骨の中の椎間板についてのお話しです。椎間板は上下の背骨(椎体)の間に存在する円板状の軟骨であり、中心部のゼラチン状の髄核(ずいかく)という場所を線維輪という軟骨が取り囲む構造をしています。髄核の約80%が水分であり、体重がかかったり衝撃が加わったことに対するクッションとしての役割があります。この椎間板は加齢とともに髄核や線維輪の水分量が減少し、変性してきます。また喫煙肥満肉体労働遺伝なども椎間板の変性に関係するといわれています。そのようにして変性した椎間板の線維輪に亀裂が生じ、髄核などの椎間板組織が神経側に逸脱して神経を圧迫し、神経症状をきたしたもの腰椎椎間板ヘルニアといいます。

2~3:1 と男性に多く、好発年齢は20~40代で、腰の骨である第4/5腰椎間第5腰椎/第1仙骨によく発生します。症状としては腰痛のみの場合もありますが、多くは急性の下肢痛を伴います。その他の症状としてでは、しびれ・筋力低下・知覚障害・膀胱機能障害・深部腱反射異常などが挙げられる。

腰椎椎間板ヘルニアのリハビリ

評価

まず問診や身体評価を行います。

  • 腰痛開始の時期や部位(腰痛・下肢痛、しびれ)
  • どのような動作で痛みが生じるか
  • 痛みが増悪する身体の動き
  • 痛みが出現しない身体の動き

などを確認します。また生活様式や心理的状況などを問診や記名式のアンケートでチェックさせていただきます。ヘルニアの障害部位で異なりますが、腰を曲げることで痛みを生じる場合が多いため、そのような生活動作になっていないかを確認していきます。

姿勢

  • 中腰姿勢
  • 重たい荷物を持つ
  • 腰を強くひねる
  • 猫背
  • 長時間の座位姿勢(デスクワーク)

には注意しましょう。ハイヒールなど高い靴を履くことでも腰椎に負担がかかります。

運動・減量

また腰椎の負担は肥満との関連も分かっているため、有酸素運動など減量も進めていきます。有酸素運動にはストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑える作用があります。また幸せホルモンであるセロトニンを増大させることも分かっています。ストレスを軽減させ、気分が爽快になることで身体的・心理的にも疼痛緩和を促していきます。

筋トレ・ストレッチ

体幹筋(腹筋・背筋)が弱くなっている場合は、腰椎の負担軽減を目的に体幹の筋力トレーニングを実施していきます。姿勢の改善に努めましょう。

また腰椎が過度に動いてしまう原因として股関節や肩関節の硬さが関与していることが多いため、筋肉のストレッチなどを紹介していきます。腰椎が過度に動かないように注意したままストレッチを行うことが重要です。

マッサージ

自己マッサージにて神経の絞扼に関連する筋肉を柔らかくすることで症状の緩和に繋げます。また腰椎椎間板ヘルニアでは排尿に関係する神経が圧迫され、尿を出しづらくなる患者さまもおられます。排尿症状がある場合には、排尿に関連する筋肉の収縮練習や自己マッサージなど、個別にトレーニング方法を紹介します。

さらに、クリニックでは必要に合わせて腰椎の牽引を行います。牽引を行うことで椎間板にかかる圧力を減らすことができ、症状の緩和につながるとされています。

しびれ・血行改善

しびれは神経内の血行不良により生じるため血液循環の促進が有効です。

  • 入浴
  • 筋収縮運動
  • ストレッチ

などを指導させていただきます。

また血行を改善するビタミンEが不足していないか食生活も見直してみましょう。

さらに必要に合わせて電気刺激温熱療法を実施します。

タバコ・禁煙

禁煙指導を行います。タバコに含まれる一酸化炭素は血中のヘモグロビンと結合し、酸素とヘモグロビンの結合を阻害します。そのため、酸素を運べない身体となってしまい循環能力が劣ってしまいます。喫煙者は一酸化炭素の血中濃度が高いと言われいるため、症状にしびれがある方は注意が必要です。

急性痛・慢性痛

急性痛

急性痛発症して3日間程度の痛みをさします。この場合には安静が必要です。コルセットを使用するなどして負担をかけないよう配慮しましょう。この間は炎症状態にあるため温熱療法は控えましょう。

慢性痛

慢性痛発症してから時間がたち、持続している痛みをさします。慢性痛の場合には「痛みについての学習」も実施します。簡単な資料を用いて疼痛のメカニズムを勉強します。また不安や恐怖感、悩みなどがあることで疼痛が増悪することが分かっているため、心的状態の確認も行っていきます。

山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックのリハビリの特徴

おやま整形外科クリニックでは医師の診察で必要と判断された場合にリハビリ行うことができます。リハビリは運動療法と物理療法に分かれます。”運動療法”では歩き方、関節の曲げ伸ばし方法などを、理学療法士をはじめとしたリハビリスタッフが温かく・丁寧に訓練させていただきます”物理療法”ではマッサージ、衝撃波、超音波、電気、レーザーなど、最新の治療機器を用いて施術します

またこれらの治療に使用する器具・機械は、インターリハ株式会社様ご協力のもと、国内・海外のメーカを問わずプロ野球チーム・プロサッカーチームも採用している最新の治療機器を準備・輸入しております。

スタッフもリハビリ室・リハビリ器具も最新鋭で最高の環境を整えておりますので、是非当院でのリハビリをご検討ください。

治療費

おやま整形外科クリニックでの治療費の例

1割負担2割負担3割負担
初診の診察
レントゲン
リハビリ
処方箋
約***円約***円約***円
再診の診察
物理療法
(電気治療、ウォーターベット)
約***円約***円約***円
再診の診察
運動器リハビリ
(理学療法士)
約***円約***円約***円
再診の診察
膝関節注射
運動器リハビリ
(理学療法士)
約***円約***円約***円

※上記はあくまで一例です。患者さまのご年齢・レントゲンの必要撮影枚数・処方箋の内容・リハビリの内容などにより、前後することがございます。ご理解いただけますと幸いです。

動画提供

おやま整形外科クリニック YouTube チャンネル: おやま整形外科クリニック

「腰のリハビリ」より

監修

  1. 日塔 善之(にっとう よしゆき): 日本理学療法士協会 認定理学療法士…おやま整形外科クリニック リハビリ部長
  2. 小山 翔平(おやま しょうへい): 日本整形外科学会 認定専門医…おやま整形外科クリニック 院長

山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックの院長紹介

氏名: 小山 翔平(おやま しょうへい)
出身地: 山形県寒河江市
資格: 日本整形外科学会 認定専門医