「筋・筋膜性腰痛」のリハビリ

腰痛は大きく特異的腰痛と非特異的腰痛に分けられます。特異的腰痛とは、腰部脊柱管狭窄症や腰痛椎間板ヘルニア、腰椎分離症・すべり症などが挙げられます。非特異的腰痛とは「原因の特定が困難」と定義され、腰部疾患の約８割を占めていると言われています。

・近年の研究による腰痛の原因の内訳

椎間関節性（背骨と背骨とつなぐ関節）22%

筋・筋膜性18%

椎間板性13%

脊柱管狭窄症11%

椎間板ヘルニア7%

仙腸関節性6%

原因の特定が不明な非特異的腰痛22%

なかでも筋・筋膜性腰痛はその名の通り、筋肉や筋肉を取り囲む筋膜が痛みの原因組織であると特定された腰痛を指します。筋・筋膜性腰痛は椎間間関節性腰痛に次いで、腰痛全体の18%を占めており、多くの方が経験する腰痛といえます。

「長時間のデスクワーク」や「中腰での家事、介護」、「スポーツ動作」などで腰の筋肉には負担がかかり、筋肉が硬くなってしまいます。その状態で負担をかけ続けると筋肉や筋膜が損傷して炎症を起こし、血行が悪くなることで痛みを引き起こします。痛みの多くは脊柱起立筋に沿った広範囲に生じます。また、圧痛（押して痛い）も同様に脊柱起立筋に沿って発生します。特に、猫背や反り腰などの不良姿勢や体幹機能（腹横筋、多裂筋、骨盤底筋などのインナーマッスル）の低下がある場合、特定の筋肉に過度な負担が持続的にかかりやすく、筋・筋膜性腰痛が引き起こされます。

筋・筋膜性腰痛では筋・筋膜の硬さが原因であるため、患部のストレッチやマッサージによって筋・筋膜の硬さが緩和することで痛みが軽減することがほとんどです。しかし、それだけでは根本解決には至らず、すぐに痛みが再発してしまいます。

痛みの再発を予防するためには、猫背や反り腰などの不良姿勢の改善と腰部に負担をかけない動作の習得が必要です。不良姿勢の改善には、短く硬くなった筋肉に対してストレッチを、伸びすぎて弱くなってしまった筋肉に対しては筋力強化を実施します。短く硬くなる筋肉と伸びすぎて弱くなってしまう筋肉は、①猫背や②反り腰など不良姿勢のタイプによって異なるため注意深く姿勢評価を行い、治療を実施します。

腰部に負担をかけない動作を習得するためには、体幹機能や隣接する胸椎（胸部の背骨）、肋骨、股間節などの柔軟性や筋力の改善も必要になることもあります。その上で、最も大切なことは日常生活場面で姿勢や動作の修正を何度も反復することです。初めは意識的に行う必要がありますが、何度も繰り返し実施することで良好な姿勢・動作が身に付いていきます。

他にも、身体機能面へのアプローチだけではなく、作業環境を整えることも重要です。姿勢や動作は作業環境によって大きく左右されます。長時間のデスクワークでは猫背が問題となり筋・筋膜性の腰痛を生じることが非常に多いため、椅子と机の高さの調節や、背もたれと背中の間にタオルを挟むなどの工夫をすることで猫背を予防することができます。長時間の立ち仕事で痛みが出現する場合は、片足を一歩前に出し、低めの台の上に乗せるだけでも腰部への負担を軽減することができます。

当クリニックでは、徒手的治療（マッサージ・筋膜リリース・ストレッチ）、物理療法（電気刺激・超音波・温熱療法）、姿勢・動作評価、生活環境の評価・指導など個々に合わせた方法で治療を実施していきます。

おやま整形外科クリニックでは医師の診察で必要と判断された場合にリハビリ行うことができます。リハビリは運動療法と物理療法に分かれます。”運動療法”では歩き方、関節の曲げ伸ばし方法などを、理学療法士をはじめとしたリハビリスタッフが温かく・丁寧に訓練させていただきます。”物理療法”ではマッサージ、衝撃波、超音波、電気、レーザーなど、最新の治療機器を用いて施術します。

またこれらの治療に使用する器具・機械は、インターリハ株式会社様ご協力のもと、国内・海外のメーカを問わずプロ野球チーム・プロサッカーチームも採用している最新の治療機器を準備・輸入しております。

スタッフもリハビリ室・リハビリ器具も最新鋭で最高の環境を整えておりますので、是非当院でのリハビリをご検討ください。

おやま整形外科クリニックでの治療費の例

※上記はあくまで一例です。患者さまのご年齢・レントゲンの必要撮影枚数・処方箋の内容・リハビリの内容などにより、前後することがございます。ご理解いただけますと幸いです。

おやま整形外科クリニック YouTube チャンネル: おやま整形外科クリニック

「腰のリハビリ」より

1. 日塔 善之（にっとう よしゆき）: 日本理学療法士協会 認定理学療法士…おやま整形外科クリニック リハビリ部長
2. 小山 翔平（おやま しょうへい）: 日本整形外科学会 認定専門医…おやま整形外科クリニック 院長

氏名: 小山 翔平（おやま しょうへい）
出身地: 山形県寒河江市
資格: 日本整形外科学会 認定専門医