脳梗塞

脳梗塞

おやま整形外科クリニックでは整形外科診療を中心に医療を提供しますが、総合的な医療提供を目指して仲間の医師と連携を深めております。整形外科以外の医療提供については準備が整い次第ご連絡しますので、しばらくお待ちください。当面は整形外科の診療を行わせていただきます。

山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックの疾患説明


「あたる」

「脳があたってしまった」

なんて表現を、皆様は聞いたことはありますか?東北地方の方言で”脳卒中になる”ことを指します。

脳卒中とは、脳の血液の流れに問題が起き、脳の一部が損傷した状態を指します。このうち、血管が詰まる・血管が閉鎖することで発生した病態”脳梗塞”と呼びます。今回はこの脳梗塞について学んでいきましょう。


脳梗塞はどんな症状なの?

脳梗塞は詰まった血管や損傷した脳の部位によって多様な症状を呈します。

  • 全く症状がない
  • 少ししびれる
  • 歩けない
  • めまいがする

このような様々な症状が起きます。逆にこれが脳梗塞の症状です!と明確に示せないくらい多様です。

そんな中で、皆様に知っていて欲しいのが”FAST”という標語です。

F=Face/顔

顔が不揃いに見えたり、片側に垂れ下がったりしていませんか?

A=Arm/腕

片腕や両腕に力が入っていないか、しびれがありませんか? 両腕を出そうとすると、片方の腕が下に垂れ下がっていませんか?

S=Speech/ことば

話すことができませんか? 言葉が変に聞こえませんか?

この3つの症状があった時には、すぐに近くの病院を受診しましょう。

T=Time/時間

何時から発症したのか確認して、迅速に受診します。

以上の4単語の頭文字がFASTです。


なぜ脳梗塞になるの?

脳梗塞は脳を循環する動脈が詰まったり閉鎖することで、脳に血流が回らなくなって発症します。一言に血管が詰まる、と言ってもその場所や原因は様々です。発症機序や発生部位によって脳梗塞は3つのタイプに分類することができます。

(1)ラクナ梗塞

脳の小さな動脈が、動脈硬化によって細くなり閉塞する。

(2)アテローム血栓性梗塞

脳の太い動脈が、動脈硬化・コレステロールによって細くなり閉塞する。

(3)心原性脳塞栓症

脳の太い動脈が、心臓から流れてきた血栓(血の塊)で閉塞する。

こういった脳梗塞は突然発症するのではなく、原因となる生活習慣や基礎疾患があることがわかっています。脳梗塞に陥らないようにするためには、発症する前から生活習慣を心がけることが重要になってきます。 


脳梗塞はどうやって予防するの?

私たちが予防できる原因は以下の通りです。

①生活習慣病を是正する(高血圧・糖尿病・脂質異常症)

高血圧・糖尿病・脂質異常症はどれも動脈硬化の原因になることがわかっています。動脈硬化が進むと全身の動脈から柔軟性が失われ、動脈が細くなったり閉塞しやすくなります。動脈硬化を進ませないことが脳の血管を脳梗塞から守ることにつながるため、動脈硬化の原因となる生活習慣病を是正することが重要となります。それぞれ適正範囲内になるよう、健康診断を利用して定期的にチェックすることをお勧めします。

②禁煙する

喫煙は数多くの疾患を悪化させる原因です。もちろん動脈硬化の原因にもなります。1日に吸う本数に関係なく、タバコを吸っていることが動脈硬化を進ませ、脳梗塞の発症リスクを高めますとにかく禁煙することが何よりの予防です。

③ヘルシーな健康習慣を取り入れる(節酒・運動・減量・減塩)

生活習慣病を発症させないために、日頃から生活習慣の改善に取り組むことも予防策の一つです。

  • 1日30分以上の運動
  • 適正体重を目指す
  • 塩分を控える
  • アルコールを適量にする

ヘルシーな生活習慣を積み重ねることで、生活習慣病の発症を遠ざけることができます。どれもすぐに効果は出ませんが、取り組み続けていれば徐々に効果が現れるはずです。

脳梗塞はどんな治療をするの?

脳梗塞が発症してしまった時には、まずは病院で原因の検索や治療を行う必要があります。特に発症直後に速やかに治療を受けることが、脳梗塞の症状を悪化させないために重要です。血栓を溶かしたり閉塞した血管を再開通させる治療は、発症直後でないと行えない場合があるからです。

大事なのは、脳梗塞になった後です。2回目の脳梗塞にならないよう再発を防ぐ予防(二次予防)に取り組むことが重要になります。血液が詰まりにくくならないよう、血液が固まりにくくなる薬(抗血小板薬)の内服を行います。予防の項でも取り上げた、禁煙・生活習慣病のコントロール・生活習慣の是正に取り組むことで、動脈硬化の進行を食い止めることができます。コレステロールを下げる薬のうち、スタチン血管を守る作用が強いため二次予防で内服を推奨されています。そして、脳梗塞に繋がりやすい心疾患がないかチェックを行います。心房細動がある場合には、より強力に血液が固まらないような内服薬(抗凝固薬)を開始します。

こんな時には受診しましょう

症状の項でお話しした、FASTの症状(顔・腕・ことばの麻痺)がある時にはすぐに受診しましょう。他にもめまい・歩行困難など脳梗塞は多彩な症状を示します。生活習慣病を患っていたりタバコを吸っている方で、突然始まった症状が気になる時にはすぐにかかりつけ医に相談してください。

山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックの総合内科治療

おやま整形外科クリニックでは整形外科診療を中心に医療を提供しますが、総合的な医療提供を目指して仲間の医師と連携を深めております。整形外科以外の医療提供については準備が整い次第ご連絡しますので、しばらくお待ちください。当面は整形外科の診療を行わせていただきます。

参考文献

  1. UpToDate
  2. Initial assessment and management of acute stroke
  3. Overview of the evaluation of stroke
  4. Patient education: Hemorrhagic stroke (The Basics)
  5. Patient education: Stroke (The Basics)
  6. Overview of secondary prevention of ischemic stroke
  7. Antiplatelet therapy for the secondary prevention of ischemic stroke
  8. 脳卒中ガイドライン2015 日本脳卒中学会

動画提供

合同会社 Medivery 運営 YouTube チャンネル: "Medivery 大学病院"

「脳梗塞の症状とは?発症理由は何なのか?予防法もお伝えします」より

監修医師

  1. 深瀬 龍(ふかせ りゅう): 総合内科医…大蔵村診療所
  2. 小山 翔平(おやま しょうへい): 日本整形外科学会 認定専門医…おやま整形外科クリニック 院長

山形県寒河江市の整形外科 おやま整形外科クリニックの院長紹介

氏名: 小山 翔平(おやま しょうへい)
出身地: 山形県寒河江市
資格: 日本整形外科学会 認定専門医